クイックアンサー: 日本を短期滞在する外国人旅行者は、日本の公的医療保険は原則利用できず、医療機関から医療費の全額を請求されます(旅行保険のキャッシュレス対応により窓口支払いが不要になる場合あり)。渡航前に旅行保険と支払い手段を確認してください。2026年4月1日以降に発生した未収金で、累計残高が1万円以上かつ回収不能・困難と判断された場合は報告対象となります。システムに登録された情報は、厚生労働省から入管へ提供され、次回の入国時の厳格な審査に使われます。厚労省Q&Aでは報告された訪日外国人受診者について「原則として日本への上陸は拒否されます」と明記されています。会計時の支払いと領収書の保管を心がけてください。
この記事は誰向け?在留者と旅行者の違い
本記事は、日本の国民健康保険等に加入していない訪日旅行者・短期滞在者向けです。この報告制度では、日本国籍を持たず海外に居住し日本の公的医療保険に加入していない一時訪問者を訪日外国人受診者と定義しています。
- 旅行者(本記事の対象)
- 短期滞在・観光など
- 中長期在留者
- 就労・留学・家族滞在など
- 旅行者(本記事の対象)
- 原則未加入
- 中長期在留者
- 原則加入(国保・社保など)
- 旅行者(本記事の対象)
- 公的保険による給付なし。原則全額請求
- 中長期在留者
- 保険証により1〜3割など
- 旅行者(本記事の対象)
- 対象になり得る
- 中長期在留者
- 対象外(Q&Aで明示)
| 旅行者(本記事の対象) | 中長期在留者 | |
|---|---|---|
| 在留のイメージ | 短期滞在・観光など | 就労・留学・家族滞在など |
| 公的医療保険 | 原則未加入 | 原則加入(国保・社保など) |
| 自己負担の目安 | 公的保険による給付なし。原則全額請求 | 保険証により1〜3割など |
| 未払情報報告 | 対象になり得る | 対象外(Q&Aで明示) |
📌 在留カードと保険証を持つ方は、日本の医療ガイド(在留者向け)および病院の使い方を参照してください。
日本で病院に行くときの基本の流れは?
多くの受診は次の流れです。
- 受付 — パスポートの提示。初診ならその旨を伝える
- 問診 — 症状・アレルギー・既往歴の記入
- 診察・検査 — 医師・看護師による診療
- 会計 — 帰る前に窓口で支払い(保険の直接請求がない場合)
- 薬局 — 処方箋がある場合は院内または近くの薬局で受け取り
緊急時は国籍にかかわらず119で救急車を要請できます。公的な救急搬送は原則無料ですが、搬送先での診療・検査・入院費は別途請求されます。
✔️ ヒント: 軽症はクリニックが先。一定規模以上の病院では、紹介状なしの受診に追加料金がかかる場合があります。これは保険診療の枠組み(選定療養費など)に関する制度です。無保険の訪日旅行者は自由診療となることが多く、料金は施設ごとに異なるため、可能なら事前に確認してください。
受診前・受診時に準備すべきことは?
渡航前チェックリスト
- 海外旅行保険 — 疾病・傷害・入院・搬送の補償範囲を確認
- クレジットカード — 海外利用・病院での利用可否
- 現金(円) — カード不可のクリニック向け
- 保険会社の連絡先 — 24時間窓口と請求手順
- パスポート — 受付で番号等を記録されることがある
受診時
- 緊急でなければ費用の目安を確認
- 先払い(Pay & Claim)か直接請求かを確認
- 領収書・診断書・明細を保管(保険請求用)
- 可能なら会計時に全額支払い — 未収金が報告の起点になり得る
旅行者の医療費はいくらかかる?
公的保険に加入していない場合、診療は自由診療として提供されることが多く、各医療機関が独自に料金を設定します。国民の保険診療の点数表どおりの金額とは限りません。
📌 訪日旅行者向けの全国一律の価格表はありません。 緊急でなければ、検査や処置の前に見積もりを確認してください。救急・入院は、内容によって高額になることがあります。
救急車: 119で手配する公的な救急搬送は、原則として無料です。診療・入院などの医療費は別途、医療機関から請求されます。
旅行保険・クレジットカード付帯保険は必要?
強く推奨されます。厚労省の医療機関向け資料でも、訪日外国人旅行者は公的保険の給付を受けず医療機関から全額請求されるため、民間の海外旅行保険加入が推奨されています。キャッシュレス対応の保険なら、窓口での先払いが不要になる場合もあります。
比較時の確認ポイント
- 確認理由
- 入院は高額になり得る
- 確認理由
- 実際の出費額が変わる
- 確認理由
- 日本の多くの医療機関は窓口先払い
- 確認理由
- 除外・制限があり得る
- 確認理由
- 単独保険と重複・補完関係を確認
| 項目 | 確認理由 |
|---|---|
| 治療費用の上限 | 入院は高額になり得る |
| 自己負担額・免責 | 実際の出費額が変わる |
| 先払い請求の可否 | 日本の多くの医療機関は窓口先払い |
| 持病の扱い | 除外・制限があり得る |
| クレカ付帯保険 | 単独保険と重複・補完関係を確認 |
特定商品の推奨は行いません。上記の観点で契約内容を読み比べてください。
医療費を払わないとどうなる?
厚労省は訪日外国人受診者医療費未払情報報告システムを運用しています。この制度では、日本国籍を持たず、海外に居住し、日本の公的医療保険に加入していない一時訪問者を訪日外国人受診者と定義しています。条件を満たす未収金情報は保険医療機関からシステムに登録され、厚労省を経て出入国在留管理庁へ提供されます。次回の入国時の厳格な審査に活用されます。
報告の条件(両方必要)
報告マニュアル Ver.1.07 より
- 未収金の累計残高が基準以上
- 2021年5月10日〜2026年3月31日に発生した未収金:20万円以上
- 2026年4月1日以降に発生した未収金:1万円以上
- 回収努力を行っても回収不能または困難と判断した場合
登録時期は、請求日の翌々月末を基準とし、翌月3営業日以内を目安としてシステムへ登録します。
入管への情報提供と上陸審査
厚労省Q&A(Q2)では、システムに報告された訪日外国人受診者は、出入国管理及び難民認定法上の上陸拒否事由に該当しうるため、「原則として日本への上陸は拒否されます」と記載されています。
📌 表現の注意: 厚労省Q&Aは「原則として日本への上陸は拒否されます」と明記しています。一方、実際の上陸許可は各人について審査されるため、「必ず全員が拒否される」とまでは断定できません。公式Q&Aの趣旨を「影響するかもしれない」程度に弱めて説明するのも誤りです。
後日支払った場合は、保険医療機関が回収情報を直ちにシステム登録する必要があります。未登録のままだと、支払い後も厳格審査が行われるおそれがあります(マニュアル記載)。
多言語対応の病院はどう探す?
公的な検索手段の例
- JNTO 医療機関検索(英語ほか)
- 厚労省の訪日外国人受診者向け資料一覧にリンクされる医療機関情報
「English OK」「外国語対応」の表示がある施設を選ぶと安心です。緊急時は最寄りの適切な施設を優先してください。
よくある質問
日本人と同じ健康保険は使えますか?
旅行者は原則使えません。 Q&A(Q3)では、日本の公的保険加入資格のない海外居住者が対象であり、在留外国人(日本居住・公保加入者)は報告対象外とされています。
2026年5月に8,000円だけ未払いになった場合、報告されますか?
新基準だけでは報告対象になりません。 2026年4月1日以降に発生した未収金は累計残高1万円以上が必要です(かつ回収困難の判断)。2026年3月31日以前に発生した分は20万円以上が基準です。
緊急時と通常受診で何が違いますか?
- 優先すること
- 119で救急。支払いは安定後に整理
- 優先すること
- クリニック受診。保険・支払い方法を先に確認
- 優先すること
- 全額支払いと領収書保管。保険会社へ請求
| 状況 | 優先すること |
|---|---|
| 命に関わる | 119で救急。支払いは安定後に整理 |
| 軽症・慢性 | クリニック受診。保険・支払い方法を先に確認 |
| 受診後 | 全額支払いと領収書保管。保険会社へ請求 |
支払ったのに以前報告されていた場合は?
病院に回収情報のシステム登録を依頼してください。マニュアルは「直ちに」登録するよう求めています。
次に何をする?
- 渡航前: 旅行保険の加入・補償確認。緊急連絡先をスマホに保存
- 滞在中: 可能な限り会計時に支払い
- 帰国後: 領収書・診断書で保険請求(Pay & Claim の場合)
- 過去に未払いがある状態で再訪予定: 医療機関と未収金・システム登録を整理。必要なら入管・法務の専門家へ相談
在留者向けの受診の詳細は病院の使い方ガイドへ。
出典
最終確認日: 2026年6月22日
- 厚生労働省「訪日外国人受診者による医療費不払い防止…」概要ページ
- 厚生労働省「訪日外国人受診者 医療費未払情報の報告マニュアル」Ver.1.07(PDF)
- 厚生労働省「報告マニュアル Q&A」(PDF)
- 厚生労働省「運用変更について」事務連絡 R8.2.4(PDF)
- 厚生労働省「訪日外国人の診療価格算定方法マニュアル」概要ページ
- 厚生労働省「訪日外国人の診療価格算定方法マニュアル」(PDF)
- 厚生労働省「医療機関における外国人患者の受入れに関するマニュアル」(PDF)
- 消防庁「訪日外国人のための救急車利用ガイド」ポータル(119番の利用方法)
- 消防庁「訪日外国人のための救急車利用ガイド」英語版パンフレット(PDF)
- 広島市「救急車の利用」(FAQ) — 救急車の利用は無料と明記
- JNTO 医療機関検索
- 出入国在留管理庁「入国・帰国手続<外国人の上陸手続>」
