クイックアンサー:この記事は、日本に住む外国人向けの医療システム総合ガイドです。一般に3か月を超える中長期在留者は、国民健康保険または勤務先の健康保険に加入します。具体的な加入対象は、在留資格・住民登録状況・実際の滞在見込みなどで異なります。加入後の自己負担は、一般的に成人で3割です(年齢・所得などで異なります)。まずは近くのクリニックを受診し、複雑なケースは総合病院へ。受付から会計までの流れは
病院・クリニック受診ガイド
、短期滞在の旅行者向けは
旅行者向け医療費ガイド
を参照してください。
この記事は誰向け?在留者と旅行者の違い
本記事は、主に日本に3か月を超えて住む中長期在留者向けです。公的医療保険への加入、医療機関の選び方、持病の続け方、救急の判断を1本で把握したい人を想定しています。
- 在留者(本記事の対象)
- 就労・留学・家族滞在など
- 訪日旅行者・短期滞在者
- 観光・短期ビジネスなど
- 在留者(本記事の対象)
- 原則加入(国保・社保など)
- 訪日旅行者・短期滞在者
- 原則未加入
- 在留者(本記事の対象)
- 保険証により1〜3割など
- 訪日旅行者・短期滞在者
- 原則全額請求
| 在留者(本記事の対象) | 訪日旅行者・短期滞在者 | |
|---|---|---|
| 在留のイメージ | 就労・留学・家族滞在など | 観光・短期ビジネスなど |
| 公的医療保険 | 原則加入(国保・社保など) | 原則未加入 |
| 自己負担の目安 | 保険証により1〜3割など | 原則全額請求 |
📌 短期滞在で日本の公的保険に入らない人は、
旅行者向け医療費ガイド
を先に確認してください。実際の受付〜会計〜薬局の手順は、
病院・クリニック受診ガイド
にまとめています。
日本の公的医療保険はどうなっている?
日本では、原則としてすべての住民がいずれかの公的医療保険に加入します。在留外国人は、一般に3か月を超える中長期在留者が対象です。ただし、在留期間が3か月以下でも、在留資格や資料で3か月を超えて滞在すると認められる場合などがあるため、具体的な加入資格は住民登録状況とあわせて市区町村や勤務先に確認してください。
主な区分は次の2つです。
- 主な対象
- 自営業、学生、無職、パートで会社保険に入らない人など
- 加入手続きの窓口
- 市区町村
- 主な対象
- 会社員とその被扶養者
- 加入手続きの窓口
- 勤務先
| 区分 | 主な対象 | 加入手続きの窓口 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 自営業、学生、無職、パートで会社保険に入らない人など | 市区町村 |
| 健康保険(被用者保険) | 会社員とその被扶養者 | 勤務先 |
加入は任意ではなく、原則必須です。母国の旅行保険や私的医療保険があっても、日本で中長期滞在する場合は日本の公的医療保険への加入が必要になることが一般的です。
保険資格の確認には、マイナ保険証または資格確認書が使われます。2024年12月2日以降、従来の紙の健康保険証は新たに発行されず、資格確認の仕組みが移行しています。手続きの詳細は
市区町村での住民登録
や
マイナンバーカードガイド
もあわせて確認してください。
保険でどこまでカバーされる?自己負担はいくら?
公的医療保険に加入している場合、診察・検査・入院・処方薬などの保険診療は、原則として保険が7割・本人が3割を負担する仕組みです。
ただし、自己負担割合は年齢や所得で変わります。たとえば未就学児や高齢者(70歳以上・75歳以上)では割合が異なります。窓口で支払う金額は、診療内容・施設・適用される割合によって変わるため、「必ず3割」と断定できません。
高額療養費制度は、1か月の自己負担が一定額を超えた場合に、超えた分の払い戻しを受けられる制度です。月額上限は年齢・所得区分などによって異なります。2026年8月診療分から月額上限が見直され、長期療養者などの負担に配慮する年間上限(8月から翌年7月まで)も導入されました。具体的な上限は変更されるため、厚生労働省の最新案内で確認してください。マイナ保険証で資格確認する場合は、事前に限度額適用認定証を取得・提示しなくても、窓口での自己負担上限が適用されることがあります。マイナ保険証以外(資格確認書など)の場合は、事前に限度額適用認定証を取得しておくと、窓口負担を抑えやすい場合があります。申請方法は市区町村、勤務先、または医療機関で案内されます。
国民健康保険にはどう加入する?
会社の健康保険に入らない人は、住所地の市区町村で国民健康保険の加入手続きをします。一般的には、住民登録後14日以内が目安とされています。
持参しやすい書類は次のとおりです(自治体により追加書類がある場合があります)。
- 在留カード
- パスポート
- マイナンバーカード(すでに持っている場合)
保険料は、原則として前年の所得(応能分)と、自治体が定める均等割・平等割など(応益分)を組み合わせて計算されます。低所得世帯には、7割・5割・2割の保険料軽減が設けられています。日本に来たばかりで所得情報がない場合の算定方法は自治体ごとに異なるため、具体的な金額は公式サイトまたは窓口で確認してください。
どの医療機関に行けばいい?
日本では、症状に応じて次のような医療機関を選びます。
- 主な用途
- 風邪、発熱、皮膚トラブルなど、最初の相談
- 主な用途
- 精密検査、入院、複数診療科が必要なケース
- 主な用途
- 専門的・難しい症例
- 主な用途
- 命に関わる緊急時
| 種類 | 主な用途 |
|---|---|
| クリニック(診療所) | 風邪、発熱、皮膚トラブルなど、最初の相談 |
| 総合病院 | 精密検査、入院、複数診療科が必要なケース |
| 大学病院 | 専門的・難しい症例 |
| 救急 | 命に関わる緊急時 |
一般的には、まず近くのクリニックから受診し、必要なら紹介状をもらって総合病院へ進む流れが進めやすいです。日本では、かかりつけ医を決めずに専門科のクリニックに直接行くことも珍しくありません。
外国語対応の病院はどう探す?
英語など外国語対応の医療機関は、次の情報源が参考になります。
- AMDA国際医療情報センター — 多言語の電話相談と医療機関案内
- 日本政府観光局(JNTO)の医療機関検索 — 外国語対応施設の一覧
- 市区町村の外国人相談窓口 — 地域ごとの案内
「英語対応」と記載されていても、曜日や担当者で変わることがあります。可能なら受診前に電話で確認すると安心です。AMDA東京の相談窓口は03-6233-9266(平日10:00〜16:00)です。
実際の受診・薬の受け取りはどう進む?
日本の医療では、医師が診察し、薬局が薬を渡す医薬分業が基本です。診察後に処方箋を受け取り、近くの薬局で薬をもらう流れが一般的です。処方箋には有効期限があり、発行日を含めて通常4日以内に薬局へ出す必要があります。
受付で保険証(マイナ保険証または資格確認書)を提示し、問診・診察・会計を経て薬局へ向かう、という大まかな流れは共通です。受付から会計、持ち物、言葉が不安なときの工夫など、実務の詳細は
病院・クリニック受診ガイド
にまとめています。
持病・常用薬があるときはどうする?
持病や常用薬がある場合は、次を早めに準備しておくと安心です。
- 当面分の薬 — 日本の医師に相談するまでの備え
- 主治医の紹介状 — 病名と薬名(一般名)を英語または日本語で記載
- 薬のパッケージやリスト — 成分名が分かるもの
- 専門医の情報 — 必要ならAMDAや大学病院を検索
日本で処方できる薬は、母国と同じ成分でも商品名や剤形が異なることがあります。逆に、母国で一般的な薬が日本では処方できない・持ち込みに制限がある場合もあります。入国前に厚生労働省や入管の案内で確認してください。
継続的なケアが必要な場合は、同じ医療機関を受診し続けると履歴を共有しやすくなります。日本にはかかりつけ医を市区町村に登録する制度はありませんが、同じクリニックや専門医を定期的に受診することは推奨されます。
救急のときはどうする?
命に関わる緊急時は119に電話して救急車を要請します。救急車の搬送自体は原則無料ですが、搬送先での診療・検査・入院費は別途請求されます。
救急を使う目安の例は次のとおりです(すべてを網羅するものではありません)。
- 強い胸痛、呼吸困難
- 意識がない、けいれんが止まらない
- 大量出血、重大なけが
- 高熱に伴う強い症状
**#7119(救急安心センター事業)**を実施している地域では、緊急かどうか迷う場合に電話で相談できます(全国41地域などで段階実施中。未実施地域もあります)。お住まいの地域で実施されているかは、総務省消防庁の案内で確認してください。地域によっては小児救急電話相談など別の窓口もあります。緊急でない症状の場合は、夜間・休日診療のクリニックや、まず近くの内科を検討してください。
よくある質問
かかりつけ医の登録は必要?
いいえ。日本には、イギリスなどのようなかかりつけ医登録制度はありません。どのクリニックや病院にも受診できます。ただし、持病がある場合は同じ医療機関を継続利用すると相談しやすくなります。
専門医にすぐかかれる?
はい、紹介状がなくても専門科のクリニックを受診できる場合が多いです。ただし、大規模な病院では紹介状がない初診に選定療養費など追加費用がかかることがあり、待ち時間も長くなることがあります。
旅行中でも保険は使える?
はい。国民健康保険や被用者保険の資格は全国で有効です。国内旅行中も、マイナ保険証または資格確認書を携行してください。
診断書(しょうめいしょ)はどうもらう?
勤務先や学校への提出用に、医師へ診断書の発行を依頼します。保険診療の範囲外となり、別途費用(おおむね数千円程度)がかかることが一般的です。詳しい様式や費用は医療機関で確認してください。
次に何をする?
- 住所地の市区町村で国民健康保険または勤務先の健康保険加入を確認する
- マイナ保険証または資格確認書、在留カード、お薬手帳をまとめておく
- 近所の内科クリニックと、休日・夜間診療の情報をメモする
- 受診の実務手順は
病院・クリニック受診ガイド
を読む
- 緊急時は119。#7119実施地域では迷う場合に相談できる(実施状況は消防庁の案内で確認)
出典
- 厚生労働省「国民健康保険の加入資格」(2026年8月13日確認)— 国内に住所を有する人の加入資格と適用除外
- 大阪市「国民健康保険とは」(2026年8月13日確認)— 在留期間が3か月以下でも実際の滞在見込みにより対象となる場合
- 厚生労働省「高額療養費制度を利用される皆さまへ」(2026年8月13日確認)— 2026年8月からの月額上限見直し・年間上限
- 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」(2026年8月12日確認)— マイナ保険証・資格確認書への移行
- 日本政府観光局「医療機関検索」(2026年8月12日確認)— 外国語対応医療機関
- AMDA国際医療情報センター(2026年8月12日確認)— 多言語相談・医療機関案内
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)」(2026年8月12日確認)— 119と#7119の使い分け

