要点: 日本の賃貸でペットを飼う人は、物件広告より契約書と管理規約の可否が正本です。犬は市区町村への登録と年1回の狂犬病予防注射が法律上の義務です。騒音・臭い・原状回復は集合住宅の実務として先に確認します。
この記事は誰向け?
日本の賃貸アパートやマンションで犬・猫などのペットを飼いたい外国人と、すでに飼っていてルールを確認したい人向けです。一般的な物件検索の比較は扱いません。探し方の窓口は
外国人向け賃貸検索サイト
へ委譲します。
部屋探しの流れは
外国人のための日本の部屋探しガイド
を参照してください。狭小住宅の収納一般は本記事の対象外です。
ペットの可否は何を正本にする?
広告の「ペット可」「相談可」は手がかりにすぎません。可否の正本は、次の順で確認します。
- 賃貸借契約書と特約
- 建物の管理規約・使用細則
- 重要事項説明で説明された内容
- 管理会社または貸主への書面の回答
「相談可」は、審査や頭数・体高・犬種の条件付きであることがあります。口頭の「大丈夫」だけで申し込みせず、契約書の禁止事項とペット条項を読んでください。UR賃貸住宅など公的賃貸も、団地・住戸ごとに扱いが異なります。全国一律の可否はありません。
内見では、共用部の足音、ベランダの使い方、ゴミ置き場、近隣の掲示も見ます。内見の確認項目は
賃貸内見チェックリスト
と重ねてください。
ペット敷金や原状回復はどう考える?
ペットを認める物件では、通常の敷金に加えてペット敷金やクリーニング特約が付くことがあります。額は物件と契約により、家賃1〜2か月分という例もありますが、全国共通の相場として使いません。
国土交通省の原状回復ガイドラインでは、経年変化や通常使用の傷みは賃料に含まれるという考え方を示しています。一方、爪による傷、臭いの染み込み、ケージ跡など、通常の使用を超える損傷は借主負担の対象になり得ます。ガイドラインに法的拘束力はなく、最終判断は契約と使用状況によります。
入居時に床・壁・建具の写真を残し、退去時の精算は
賃貸退去と敷金返還のガイド
と同じ手順で明細を確認します。
犬の登録と予防注射は何が義務?
厚生労働省の案内どおり、狂犬病予防法に基づき、犬の所有者には次が義務です。
- 所在地の市区町村へ犬を登録すること
- 犬に毎年1回、狂犬病の予防注射を受けさせること
- 交付された鑑札と注射済票を犬に着けること
登録の申請は、犬を取得した日(生後90日以内に取得した場合は生後90日を経過した日)から30日以内、と法律に書かれています。手数料の金額は市区町村の条例で異なるため、窓口で確認してください。猫に同じ登録義務がある、と一般化しません。
登録や予防注射、鑑札・注射済票の装着を怠った場合、狂犬病予防法は20万円以下の罰金を定めています。適用の有無は個別の事実によるため、この記事は条文の存在を示すにとどめます。転居したら、新しい市区町村での手続きも確認します。
集合住宅では何を先に決める?
狭い室内でも、ペット特有の騒音・臭い・トイレが近隣トラブルになりやすいです。収納の一般論ではなく、次を契約前に具体化します。
- 留守中の鳴き声、早朝・夜間の散歩、共用廊下でのリード
- トイレの場所、消臭、抜け毛、定期的な換気
- 共用部での排泄物の処理、エレベーターやエントランスの使い方
- トリミング・動物病院・緊急預かりの確保
建物の掲示や管理規約が、リード義務や共用部立入を定めていることがあります。文化として「静かにする」だけでなく、書面のルールを正本にしてください。
災害時にペットと逃げる場合は、避難所の受入条件が施設ごとに異なります。借主としての備え全般は
賃貸住宅の防災ガイド
を参照し、ケージとフードを非常持ち出しに含めます。
海外からペットを連れてくる場合は?
国際搬入・検疫は賃貸契約のスコープ外です。日本へ動物を入れる手続きは、農林水産省の動物検疫所など公式案内を正本にしてください。賃貸のペット可否が通っても、検疫やマイクロチップの要件は別です。本記事では検疫の手順を詳説しません。
国内で引っ越す場合は、転居先の契約・管理規約と、犬の登録変更を先に確認します。
よくある質問
ペット可物件の割合はどのくらいか?
全国で何割、という数字は公式の確定値として扱いません。検索フィルタと不動産会社への条件提示で候補を集め、契約書で確定します。
家賃が必ず高くなるか?
ペット可を理由に家賃や敷金が上乗せされる物件はありますが、割合を一般化しません。総額と特約を物件ごとに比較してください。
犬以外も登録が必要か?
狂犬病予防法の登録・予防注射は犬の所有者の義務として案内されています。その他の動物は、契約・管理規約と自治体の条例を個別に確認します。
未登録でも借りられるか?
物件の審査と、法律上の飼い主義務は別です。賃貸が通っても、犬の登録と予防注射の義務は残ります。
退去時に臭いを指摘されたら全額負担か?
自己判断で全額を認めず、箇所・工事範囲・経過年数・契約条項を明細で確認します。話し合いの資料として国交省ガイドラインを使い、必要なら相談窓口へ持ち込みます。
次に何をする?
- 契約書・管理規約・重要事項のペット条項を、広告より先に読む
- 頭数・体高・犬種・ペット敷金・原状回復の特約を書面で確認する
- 犬を飼う場合は市区町村の登録と年1回の予防注射の日程を確保する
- 候補探しは
検索サイト案内
、内見は
内見チェックリスト
へ進む
出典
- 厚生労働省「狂犬病に関するQ&A」(2026-09-08確認)— 登録・年1回の予防注射・鑑札と注射済票。
- 厚生労働省「犬の鑑札、注射済票について」(2026-09-08確認)— 飼い主の義務と装着の案内。
- e-Gov 法令検索「狂犬病予防法」(2026-09-08確認)— 第4条・第5条の義務、第27条の20万円以下の罰金。
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(2026-09-08確認)— 通常損耗と借主負担の一般的な考え方。
- 農林水産省 動物検疫所「動物の輸入」(2026-09-08確認)— 海外から動物を入れる場合の公式入口。

